情報保障をしているときに、話の中に略語や略称が出てきたとする。
その言葉は、専門的ではないが使う人は使うというような言い方のとき……。
例えばの話だけれど、独立行政法人のことを「独法(どっぽう)」と言ったとする。
そういう場合の表記の仕方について、一緒に通訳をしていた人と、
ちょっと意見が分かれた。
私の意見は、聞こえたまま「独法」でいいのではないかということ。
もう1人の意見は、「独法(独立行政法人)」と出すほうがいいのではないかということ。
私は、聞こえたままを打って出して、その言葉がわからなかったら、
利用者本人が質問をするなり、あとで調べればいいと思っている。
ちょっと言い過ぎかもしれないが、補うことは余計なおせっかいだと思うから。
もう1人は、わからなそうな言葉だったら、補ってあげたほうが親切ではないかと。
確かに親切だと思う。「ん?」と思った言葉も、補ってくれればすんなり入ってくる
こともきっとあると思う。
ただ、それをやり出したらきりがなくなってしまうと思う。利用者本人がどの程度の
知識を持っているかなんて、私たちにはわからないし……。
私はそう思うんだけど……。
実は実際に現場でそういうことがあって、最初、あまり深く考えずに、
「こういう場合は補った方がいいか?」と利用者に聞いてしまった。
何でもかんでも利用者に聞けばいいのではないのに。
そうしたらたまたま利用者が、「補ってください」と言ってきた。
「わかりました」と返事をしたんだけど、すぐその後で、
やっぱりおかしいんじゃないか?と私は思って、
それを一緒に通訳している人に伝えた。
結局、どうするかはっきりしないまま話が始まってしまって、
幸いなことにその言葉が出てこなかったのでよかった?んだけど、
この辺は利用者も私たちも、もう少し勉強というか、きちんと考えて意見交換を
しておかないといけないのではないかと、終わってから思った。
次回の勉強会で、ちょっと話を出してみようと思う。